
2025.10.06

こんにちは、編集Tです。
先月までは外と社内の温度差に頭がクラクラしていましたが、暑さも和らぎ仕事しやすい季節になってきましたね。
さて、マンガ編集者の仕事のひとつに、作品内の文字の大きさや書体を指定するというものがあります。級数表と呼ばれるスケールを当てて、「ここは大声で叫んだセリフだから32級にしよう」とか「吹き出し小さくて20級じゃ入らないや。18級にしよう」とか決めて、赤ボールペンで級数を書いて指定します。18級や32級というのは文字の大きさ。数字が大きいほどサイズも大きくなります。慣れてくると級数表を使わず、吹き出しの大きさと文字数をひとにらみして「28級!」とビシッと指定できちゃうんです。
書体も編集者が指定します。「目立たせたいから新ゴB」とか「可愛い声で喋ってそうだからハッピーNB」とか。書体も赤ボールペンでせっせと指定します。場面に応じて様々な書体を使い分けるのですが、調子に乗って色んな書体を多用するとゴチャゴチャとした印象の落ち着かない見映えになってしまいます。どんな書体を、どのように使うかは編集者のセンスが問われる部分だったりします。
もちろん、大きさも書体もマンガ家さんから指定されることもあります。そこにマンガ家さんのこだわりが垣間見えることも……同じセリフでも書体が違えば、読んだ際の印象も違ったものになるんです。秋の夜長、お好きなマンガにどんな書体が使われているかに注目して読まれてみてはいかがでしょうか?